ニューハーフと芥川賞
芥川賞もついに122回を数えました。毎年2回も優秀な作家を選び出すのも楽じゃなさそう、と前から思っていたのだけど、いやいやどうして。今回は2人も出ました。1人は中小企業地帯として有名な大阪府東大阪市の中小企業の社長。もう1人がなんと性転換を考えているニューハーフのお方でありました。
中小企業の社長(34歳)というのは、何となく時代背景を反映しているのかな。受賞後の記者会見で「とにかく仕事の受注がほとんどないんです」なんて言っていたりして、まさに今をときめく(?)中小企業という感じ。仕事がないから暇に任せて小説を書いて芥川賞を取ってしまうのだから、大したものだ。もっとも、それが作品と関係あるかと言われれば、あまりないのだろうけど。
そしてもう1人のニューハーフ。まだ性転換手術を受けていないので「ニューハーフ」が正しいのかも良くわからないが、朝日新聞のホームページではニューハーフと紹介されていた。大学を出て出版社に勤務していたが、ある日スカートで会社に通ってクビになったという。ちなみにこの人は37歳。
しかしこうしてみると、作品よりも作者のキャラクターが目立ってしまっているような気がする。もっとも、そういう記事の書き方をした朝日新聞の意図もあるのだろうが。でも、芥川賞と言えば最近は自分自身が受賞作家でもある村上龍が、国民的な目標としての芥川賞はもういらないだなんていうぐらいで、話題になりにくくなった面もあろう。
話題づくりのためにこの2人を決めたのだ!とまでは言わないが、作品を読まないでも受賞者の面白みで満足できてしまう芥川賞なのであった。