最近、RealPlayer を使ってインターネットでラジオを聴いている。7年前に日本に帰ってからはなかなか好きなFMチャンネルが見つからなかったし、AMのトークもやっぱり、ラジオ大国のアメリカに比べるといまいちだった。それがインターネットでアメリカのラジオが聴けるようになったので、私としてはなかなかハッピー。
特にむかし自分が住んでいたデトロイトのFMチャンネルなんかが出てくると、もう感激。懐かしさのあまりに午前4時まで聞き込んでしまった。アメリカのFMチャンネルは一つのジャンルに徹底している。好きな音楽を、24時間聞ける仕組みなのだ。
トークに関して言えば、視聴者が電話をかけてきて、DJと必死に社会問題とかを議論するのが面白い。ローカルな問題もあれば、全米的な問題もある。市民が政治に参加するというのは、こういうことを言うのだろうな、と思うわけです。その中で出てきたの一つの話題が、LRT問題だった。
LRTというのは、Light Rail Transit、つまりライト・レール・トランジットのことです。ようするに、日本で言うチンチン電車が発展したものと思えばいい。町中で導入されれば、交通渋滞の解消とか、地球温暖化ガスの削減に貢献するとか、中心市街地の活性化につながるとか、都会でも高齢者が暮らしやすくなるとか、いろんなメリットがあるとして最近にわかに注目を浴びている。フランスやドイツで導入する動きが盛んになっていて、関西を中心に日本でもにわかに整備構想がところどころに浮上しているわけです。
で、この流れはアメリカにも波及している。ただしアメリカは恐ろしいほど車社会なので、「改めてそんなものを導入しても無駄だ!」という意見も多い。今回はフロリダのある都市が導入に向けた調査をするために大金をつぎ込んだと言うことで、市民の反対運動がインターネットのホームページでも展開されている。アメリカでは以前、People Mover というモノレールが「市民の足として有効なのでは」と言う話が盛り上がり、実際に導入した都市もあったが結局失敗したという事例なんかを紹介するわけです。
神戸在住の僕としては、日本でこれに近い事例として神戸空港が真っ先に頭に浮かぶ。ただフロリダのLRT論争と神戸空港が同じかというと、ちょっと違うような気もする。アメリカではこういう運動が勢いづくと、一気に地方政治の政権が民主党から共和党に傾いたり、その逆が起きたりするので面白い。神戸空港は延々と市民運動が続いているが、結局市長選では現職市長が勝ったし、99年の統一地方選挙でも空港賛成派の自民党や公明党、民主党が勝った。
第一回目から長くなって恐縮だが、結局日本の市民って政治意識が足りないのだなぁ、って痛感しているわけです。もっと身近なところから地方政治を切り崩せれば良いのだけど、もっと地方分権が進まないとそれも難しいし。せめてラジオのトークショーでみんなでがりがりと議論しても良さそうな話題はたくさんあったよね。インターネットの普及がこうした状況を打破してくれるのではないかと思う一方で、ネットの弱点は関心がないものは目にも耳にも入らないと言うところだから。そんなわけで、日本のメディアはがんばらなくてはいかんな、と思うのでした。そう、特にトークが売り物のAMラジオなんかがそうなのでは、と。