2008年2月 Archives

F4かっと.jpg  「ファンタスティック・フォー」の第2作。第1作はドラマ性に欠けるなどと言って厳しい評価を下したのだが、こちらはドラマ性があろうがなかろうが楽しめる。無理に登場人物の心理状態を描こうとしていないところがいいのかもしれない。

 なにしろ分かりやすい。すんごい敵がやってきた! というヒーロー映画の王道に始まり、エンディングまで適度に休憩を挟みながら戦いが続く。娯楽映画はこうでなくてはいけない。真面目にそんなことを考えたりもした。

 それにしても適役のキャラクター「シルバーサーファー」がいい。銀色のサーファー。悪いというよりも冷徹な雰囲気にシビレタ人も多いのではないか。ストーリーを通して、少しだけ素性が明らかになるのもいい。本当に悪いのは人間だよなぁ、うん。

 笑いの挿入も、第1作よりは洗練されていると思う。第1作はいろんな意味で超常現象の説明や各キャラクターの能力を見せることに時間を費やしていたけど、第2作となるとその辺は省いてドンドン話が進むからいいね。

 ところであのサーファー、ギタリストのジョー・サトリアーニのアルバム「サーフィン・ウイズ・ジ・エイリアン」のアルバムカバーを連想したのは僕だけでしょうか。あのクールな感じが同名の曲にも合っているような気がしてならないのです。

戦火の勇気(1996)

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 湾岸戦争を部隊に、戦場での真実を探る映画。

戦火の勇気.jpg デンゼル・ワシントンが演じる主人公のサーリング中佐は、湾岸戦争中に味方の戦車を攻撃して殺してしまうという失態を犯す。しかしこの事件は深堀されず、サーリング中佐は帰国してからの新しい仕事として、戦死した女性隊長に名誉勲章を与えるためのリポートを書くよう命じられる。そしてそこで、女性隊長の死には何やら不透明な何かが絡んでいることを感じ取る……という流れ。


 登場人物によって別々の出来事が語られるややこしさは、いつか見た「閉ざされた森」という作品を思い出させるものがある。とてもややこしい。しかし悲しいかな、謎解きの謎それ自体があまり大事に感じられない。それを暴いて、だからなんですか、みたいな。ちょっとだけネタバレしますが、それほど驚きのエンディングでもないのですよ。

 デンゼル・ワシントンとメグ・ライアンという組み合わせは豪華ではある。マット・デイモンが有名になる前の作品でもあるけど、彼は昔の方が演技が上手だったのではないだろうかと思ったりもして。戦場ものであるにしても、メグ・ライアンはひたすら叫んでいるような役柄で、それ以上の印象がない。

 ある意味、湾岸戦争をテーマにして、かつ面白い作品に仕上げることの難しさが際立っているような気がしないでもない。特にベトナム戦争に比べると、メッセージ性が薄れてしまうような気がします。

 歴史学者で冒険家のベン・ゲイツという主人公が、独立宣言前の米国の偉人が残したというお宝を探すお話。謎に次ぐ謎に引き込まれた。かなり良くできたミステリーだと思う。

060803_nationaltreasure_mai.jpg 適度にアクションも織り交ぜられていて、頭ばかりを使うという展開でもない。それでありながら、歴史の勉強にもなる。けっこういいのではないでしょうか。


 個人的には主人公の父親を演じたジョン・ボイトという老役者がいい味を出していたと思う。自らの挫折の経験も含めて、息子のやることに反対していたのが少しずつ協力的に……という流れはありがちだけど、上手な演技で不自然になるのを防いでいる。

 たった1つ問題があったとすれば、テレビ朝日(だったと思う)で放送していたのをGコードで録画したのに、途中で終わってしまったこと。特にスポーツ中継の延長とかはなかったはずだけどな……。なので最後の20分ぐらいを見るために、改めてDVDをレンタルしてしまいました。悔しい。

スパイダーマン3(2007)

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 「スパイダーマン」の3作目。敵・味方の構図をちょっとだけ複雑にしてみた、というところだろうか。

 今回は過去2作に比べると、いろんな話を複雑に絡めている。主人公のピーター・パーカーと友人ハリー・オズボーンとの確執に始まり、ピーターと恋人MJの不仲もあれば、サンドマンとなる悪役の悲哀も描かれる。ちなみに最後の方に出てくる黒いスパイダーマンのような悪役は、正式には「ヴェノム」という名前があるようです。このキャラも一応、悪に走る経過は説明されている。

spiderman3-small.jpg ウルトラマンシリーズなど日本のヒーローものでも同じだが、こういう作品はいろんなキャラクターが出てきた方が楽しい。そう言う意味でこの作品は過去の2作品よりも楽しめる。前回ここで「ファンタスティック・フォー」も紹介したけど、あれも同じ理屈だと思う。キャラは多い方が良いのである。ポケモンしかり、スパイダーマンもしかり。


 以下、ネタバレあり

 この映画は作品全体に「憎い相手を許す」というテーマが敷かれている。主人公のピーターが叔父のベンを殺した相手を許すのもそれであるし、友人ハリーがスパイダーマンに理解を示すというのも同じこと。その点をしっかりと台詞にして語るのが叔母のメイ・パーカーなのだが、この叔母はシリーズを通してピーターの良き理解者として主人公の悩みを沈める役割を果たしている。連作にしてもっとも効果を発揮した登場人物はこの人ではないだろうか。

 一方でハリーは最後に友情を取り戻すのだけど、このキャラはやや動きが鈍い。最初と最後のアクションシーンが見せ場なのだが、悪役としてもう少し力を見せる場面があっても良かったのではないかと思う。ていうか、最初も最後も出てきてやられるだけなので、存在感がもやもやとしているわけです。

 ところでMJの女優はヒロインにしては美しくないなー、と前から思っていたのだけど、今回は過去2作品よりも演技力が向上していたような気がする。

 それにしても宇宙から飛んできたとみられるあの黒い物体、主人公のバイクのすぐ近くに落ちるなんて、偶然にしてもひどい。もう少しマシな展開で結びつけられなかったのだろうか。サンドマンの誕生も同じ。あんな危険な実験場なのに、その辺から走り込んできた人が落ちるような構造になっていて良いのだろうか。良い部分と冷める部分の両方を多く持つこの映画作品にあって、この2つがもっともいただけなかった。

 宇宙で謎の放射能(光線?)を浴びた4人が、それぞれに特異な能力を身につけるという内容のSF・アクション映画。原作はいわゆるアメコミです。

 CG技術が発達したおかげでこうした爽快なSF・アクション映画を多く見られるようになったのは、喜ばしいことだと思う。その分、有り難みもなくなってきた。やはり最近の映画は映像の進化に飽和感が出てきた分、ドラマ性が大事になってきたのだなぁ、と感じる。特にこの作品については、強くそう思わせるものがあった。

nEq30852copy.jpg 1人は空を飛び、1人は透明人間になり、1人は手足が伸び、1人は怪力である。その組み合わせは面白いし、4人が織りなす連係プレーや仲間割れの様子はSFアクション映画ならではのものがあった。だから映像は充分に楽しめる。


 以下、ネタバレあり。

 しかし、ストーリーが浅い。実業家が落ちぶれて悪に走るという設定は、いつかどこかで見たことがあるような……。ああそうだ、スパイダーマンだ。

 あと、透明人間になる女性と手足が伸びる科学者の関係は、もう少し丁寧に織り込んでくれないと、最後のプロポーズのシーンでしらけるんですよ。そこに至るまでに、葛藤も何もないというか、ただ単にドタバタしてただけじゃないか、と思ってしまう。

 ベン(怪力男)は見た目がエグい状態になって奥さんに捨てられてしまうのだけど、その後に現れる新しい恋人の存在に納得がいかない。「見えないからゴツくてもいい」というまとめ方をしてしまって、良いのだろうか。

 しかるに、この映画は登場人物を均等に描いてしまっているのが問題点なのだろうと感じる。人物描写が広くて浅い。そういうことなんだろうと思う。これでは役者の演技の良し悪しも判断できない。

 続編のプレビューは面白そうだったけどな……。

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